ラクダと水に浮かぶ棒切れ

<あらすじ>

はじめてラクダを見た者はこの未知なものから逃げだした。ニ度目に見た者は近づいた。三度目に見た者は勇気を出して、ラクダにつける面繋(おもがい)をつくった。
慣れたということは、こんなふうに、すべてをなんでもないものにする。恐ろしく奇妙に見えたものも、続いてやってくると、私たちには見慣れたものとなる。
さて、ついでにもう一つ。見張りに立たされた人たちが遠くから海上になにかを見て、あれは強力な軍艦だ、と言った。しばらく経つと、あれは火船、ということになった。ついで、小舟、ついで雑嚢(ざつのう)となり、最後に、水に浮かぶ棒きれになった。

 

<解釈>

①初見はあてにならない

「よく」見るには①何度も見るという意味と②遠くからではなく近くから見るという2つの意味がある。

 

無関係な立場からみると立派だけど身近な関係者から見ると粗が出るということはよくあるので気をつけなければならない